スターバックスの出店にはどのような要因があるのか

理工学部 物理学科 3年 八瀬邉克之

(1)緯度・経度を使って店舗の位置を地図に表示する

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世界地図にプロットしたことによる考察は、北・南アメリカ大陸や東南アジア、またスペイン~ポルトガルの辺りでは顕著に海岸に沿って分布していることがわかる。これは海岸沿いの都市のほうが内陸部よりも発展していることとの相関関係が見いだせそうである。

次は日本のみに限定してプロットする。

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こちらも明らかに太平洋ベルトに沿って分布していることが明らかである。太平洋ベルトはご存じの通りに、海外や国内へ商品・機械類の輸出入を盛んに行って発展してきた工業地帯の総称である。経営戦略的には初歩の初歩といったところだろうが、人の移動が盛んな都市に多く出店するというスターバックスの意思が伺える。

(2)国ごとの店舗数の合計を求めて集計する。テーブルとして表示、埋め込む。

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アメリカは日本の約26倍の面積を持つと高校生の時に習ったのだが土地面積に対する店舗の数は日本の方が多いとすぐに分かる。個人的にはカナダの店舗数が日本よりも少ないことに驚いた。確かに人口が多いイメージはないけれど、土地面積を考えると世界二位であるので、日本よりもさすがに多いと考えていたからだ。ここから分かることとして、一般的な経営戦略に詳しいわけではないけれど、人の移動する量の基準がいくつかあって、スターバックスはそれらを指標にして出店を検討しているのではないのかと勘ぐってしまう。

(3)国際連合のウェブサイトから人口データをダウンロードして新たなデータフレームを作る

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続いてさらにデータを加工していく

(4)10万人当たりの店舗数を計算する。

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このテーブルから棒グラフを作る

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このグラフから、アジアに所属している国はかなり上位に位置している。カナダも土地面積がかなり大きい割には上位にいることに驚いた。

(5)コロプレス地図を作成し考察する

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特にアメリカが高い密度を示しているが、中国は非常に低い密度を示している。このように広い範囲に渡るデータの偏りがあるときには、等幅ではなく等頻度の方が適切だと考えられる。等頻度はデータ点を均等に分割して一部の国にデータが集中することを防ぐ。よりバランスの取れた視覚化ができる。

(6)自分なりの視点で考察

私はカナダについての店舗数と人口の関係について考察しようと思う。使用したカナダの統計データ(州ごとの人口とその緯度・経度、平均気温)は以下のURL先のカナダ国家統計局(The national statistical office)から得た。

https://www.statcan.gc.ca/en/start

まずはカナダのみの店舗の位置は以下の通りである。

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次に13州ごとの人口と緯度・経度をテーブルにまとめ、ヒートマップにプロットした。

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ここから、首都のオタワやその近くにトロントなど大都市をもつオンタリオ州の人口がカナダ13州の中で一番人口を多く持っている上にスターバックスの出店も多く見受けられた。

また一つ不思議に感じたことは、アルバータ州にある店舗より北にある緯度に出店は見られないことである。一般的に緯度が高くなるにつれて気温などの自然環境が厳しくなるのでその為なのかと考えたけれども、この考察は正しくもあるし、足りないと思う。理由としては、(1)でプロットした世界全体の出店した場所を見るとアメリカのアラスカ州ではアルバータ州よりも緯度が高い位置に出店しているからだ。加えて理由があると思う。

続いて州の平均気温とスターバックスの店舗データの中に'City'の列があったので、それぞれ属する13州に振り分けた後てテーブルにした。以下の通りである。(ここめちゃめちゃ大変でした!超こだわりポイント!!)

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上のテーブルから次の二つのことについて考える

  1. 回帰の結果から分かることは?
  2. ケベック州が抱えている人口の割に店舗が少ないのはなぜか?

1.まず回帰の結果から

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以上の結果から分かる通りに平均気温は人口に比べると影響がとても少ないように思える。人口と店舗数には非常に明らかな正の相関がわかる。平均気温と店舗数については、外れ値によってロバスト性に欠ける結果となった。説明変数の選び方を工夫する必要があるとここから学びを得た。

ケベック州から読み取る意外な法則性とは.....

さて、二つ目のケベック州について。調べてみると、ケベック州の特徴としてフランス語話者が圧倒的に多い街で有名だそうだ。まさかと思って、フランス語圏(主にヨーロッパ)について(1)の最初の世界地図にプロットしたものを見返してみた。フォーカスしたスクリーショットは以下。

フランス語を公用語としている国は

  • フランス
  • ベルギー
  • スイス
  • モナコ

などである。これらの国の店舗数を(2)のデータからまとめると以下の通り

  • フランス    -94店舗
  • ベルギー    -30店舗
  • スイス  -0店舗
  • モナコ       -0店舗

10万人当たりのデータからも明らかに少ない。元々、スターバックスはアメリカのシアトルが発祥であることは有名な話であろうが、公用語をフランス語としている都市や国にはあまり出店していないという事実がなんとケベック州にフォーカスしたら見つかったので、関係のなさそうな事柄でも何かしら繋がりがあることを学んだ。

オランダに集中しているのがわかるが、オランダの公用語はオランダ語か英語。ここでどのような地域に出店が多いのか、今までの考察で一つ法則性を見出した。ズバリ、

第二外国語までに英語が使われるかどうか

である。特に、イタリア、クロアチア、デンマークなどが顕著である。これらの国はそれぞれ母国語をイタリア語、クロアチア語、デンマーク語と持っており、第二外国語もドイツ語、フランス語など英語以外である。

一方日本、韓国、中国はいずれも各母国語+英語が広く用いられている。

(6)の結論とタイトル回収として

分析の結果から

  • アラスカ州に店舗があることから環境だけが店舗数と関係があるわけでない。
  • 都市の人口と店舗数の関係は明らかに正の相関がみられる。
  • 英語が広く使われているか

確かに、スターバックスにはカフェモカはあるけどカフェオレやカプチーノは売ってないのでそこからもアメリカ発祥の色が出ているなと気づいた。

最後に

今回の分析から、Exploratoryの使い方をより深く学んだとともに変数選択の重要性を理解した。もう少し自分で色々なデータを持ってきて変数の取捨選択をしたり、クラスタリングをしていって、理論はもちろん、実戦的な経験も積みたい。これからRが始まるのですごく楽しみにしている。自分の力にしていきたい。楽しかった。

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