紹介数は、既存顧客が新規顧客を推薦・紹介した回数を表す重要な指標です。この指標は、顧客満足度の高さと製品やサービスへの信頼度を実際の行動として数値化したものであり、ビジネスの持続的な成長を測る上で欠かせない指標となっています。
紹介数は主にマーケティング部門や経営層にとって重要な指標ですが、カスタマーサクセスチームや営業部門にとっても、顧客エンゲージメントの成功度を評価する上で重要な指標となります。
マーケティング担当者の最も重要な役割は、自社の製品やサービスの認知度を高め、顧客の需要を創出することで、持続的な成長を支えることにあります。
そのため、マーケティング担当者は顧客のライフサイクルに合わせて、様々な活動をすることになります。
また、各ステージのマーケティング活動の最適化のためには、個々の活動に対する指標をモニターすることも少なくありません。
しかし、各ステージの最適化が必ずしも、購買サイクル全体を通した最適化には結びつくとは限らず、購買サイクル全体を最適化するためには、効率的に顧客を次のステージに誘導することが必要です。
そこで重要になるのが、それぞれのステージでのマーケティング活動が、いかに成果(次のステージへの移動)に結びついたかを捉える指標(KPI)を定義して、モニターすることです。
そこで、このノートでは、「ロイヤルティ」のステージの指標である、「紹介数」を紹介します。
ロイヤルティのステージにおけるマーケティングの目的や役割は、既存顧客に製品やサービスを再購入してもらうこと、あるいは既存顧客から口コミを生み出し、それによって他の潜在顧客の購買を促すことです。
そこで、例えば、紹介プログラム、既存顧客向けの優待サービス、買い換え・買い増しプログラムを用意することになります。
そして、最終的にどれだけ、紹介してくれたのかを「紹介数」としてモニターするわけです。
紹介数のトレンドを可視化することで、時間の経過とともに、どれだけの顧客のサービスや商品の継続意向が高まっているかや口コミを生み出しているかを理解できる。
さらに、紹介数をセグメントに分けて比較することで、どういったグループにおいて紹介が発生しやすいかを理解でき、紹介プログラムのプロモーション活かすことが可能です。
しかし、紹介プログラムのように、顧客の満足度を実際の行動として捉えることができる製品やサービスもあるが、そうでない場合もあります。
そういったときは、製品やサービスに対する満足度やロイヤルティを、NPS(ネット・プロモーター・スコア)という指標で測ることも可能です。
ここからは、実際のデータを使って紹介数の計算方法を紹介します。
今回は以下のように、1行がとあるサービスの利用者からのアンケート回答を表しており、列には、回答者IDや、回答日、紹介したかどうかを表すようなデータを使って見ていきます。(データはこちらのページからダウンロードできます)
なおExploratoryでは、指標を作成するときに2つの方法があります。
AIプロンプト:自然言語でデータを処理する機能で指標を作成する
UIメニュー:UIからアクセス可能なメニューでデータを加工して指標を作成する
こちらのノートではそれぞれの方法を紹介します。
「AIプロンプト」は Businessプラン や Personalプラン といった有料ライセンス、またはそれらのプランを トライアル中のユーザー のみご利用いただけます。
また、AIプロンプトはデバイスがインターネットに接続されている場合のみ利用可能です。
上記のプランをご利用でない場合、またはインターネットに接続されていないデバイスをご利用の場合は、「UIで紹介数を計算する」のセクションに進んでください。
こちらのセクションでは、AI プロンプトを使った指標の作成方法を紹介します。(AIプロンプトの詳細については、こちらをご覧ください。
「AI データ加工」ボタンをクリックして、AI プロンプトのダイアログが表示されたら、以下のようなテキストを入力し、実行します
月ごとに紹介数を計算して
すると、紹介数を計算するためのコードが生成されるので、結果を確認し、「ステップとして実行」ボタンをクリックします。
ステップが追加され、紹介数を計算できました。
ここからはUIで紹介数を計算する方法を紹介します。
今回のデータでは「紹介しましたか」列の値が「はい」または「いいえ」になっています。仮に月ごとの紹介数を計算したければ、「紹介しましたか」が「はい」の値の数を集計する必要があります。
このような計算をするときには、「紹介しましたか」の列が「ロジカル型」だと、「TRUEの数」つまりは紹介数をを簡単に集計できます。
そこで、「紹介しましたか」の列ヘッダーメニューから「データタイプを変換」、「Logical(ロジカル)型に変換」を選択します。
すると、計算を作成のダイアログが表示されます。
str_logical
関数は、ロジカル型のデータに変換するための関数です。
Yes/Noあるいは、1/0のような値を持つデータでは、特別な設定をすることなく自動的に「Yes」や「1」をTRUEに、「No」や「0」はFALSEに変換できます。
一方で、今回のように「はい/いいえ」のような表現の場合には、true_value
の引数からTRUEに変換したい値を明示的に指定することでロジカル型に変換できます。
今回のデータでは「はい」をTRUEに変換したいので、true_value
に「はい」を指定し、計算エディタにstr_logical(紹介しましたか, true_value="はい")
とタイプし、実行します。
これにより、「はい」の回答だけがTRUEとして扱われ、「いいえ」やその他の値はすべてFALSEになります。
ステップが追加され、「紹介しましたか」の列がロジカル型に変換されたことを確認することができました。
「紹介しましたか」の列をロジカル型に変換したらチャートの中で直接紹介数を計算することもできます。また、データ加工のステップを追加して、データとして紹介数を集計することも可能です。
そこで、まずは紹介数をチャート中で計算する方法を紹介します。
チャートビューに移動し、チャートタイプに、ラインチャートを選択します。
X軸には「回答日」を選択し、今回は月ごとに紹介数を計算したいので、日付の単位には「月」で切り捨てを選択します。
続いて、Y軸には「紹介しましたか」を選択します。
ロジカル型の列をY軸に選択すると、デフォルトの集計関数として、「TRUEの数」が利用されます。
これで月ごとに紹介数を可視化できました。
データを加工して月ごとの紹介数を集計したい場合、「紹介しましたか」列をロジカル型に変換した後に、「回答日」の列ヘッダーメニューから集計を選択します。
集計のダイアログが開いたら、グループに選択されている「回答日」を「月」単位に丸めます。
続いて、値に「紹介しましたか」を選択し、集計関数には、「TRUEの数」を選択します。
最後に列名を「紹介数」に変更します。
プレビューを確認したら実行します。
これで月ごとの紹介数を計算できました。
今回、紹介した紹介数以外にも、マーケティング活動において重要な指標はいくつもあります。そこで、マーケティング担当者にとって重要な指標と、その作り方を紹介する動画を公開しています。
ぜひ、ご覧ください!